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「河童のクゥと夏休み」

2007–08–17 (Fri) 21:10

製作年度 2007年
製作国 日本
上映時間 138分
監督 原恵一
原作 木暮正夫
脚本 原恵一
音楽 若草恵
出演 田中直樹 、西田尚美 、なぎら健壱 、ゴリ 、冨沢風斗 、横川貴大 、松元環季 、植松夏希
まー歪んでいるというか、いびつな映画ですね。


プロモはどう見ても夏休み子供向け映画以外の何者でもないようなのですが…

実際のところ対象年齢高すぎませんかw
少なくとも小学校行ってない子にはキツイでしょ。

ボクが観たときも客層は幼稚園から小学校低学年くらい子たちとその親御さんたちがメインでしたけどね…

そりゃ始まって数十分くらいはわーわーきゃっきゃと大騒ぎですよ。
江戸時代で侍に父親を殺されたクゥが地割れに挟まれ化石になっちゃう。
で、現代の子供に拾われてその家族との心温まる交流を見せていくんですね。

時代ずれしたクゥに嫉妬する妹、マイペースの父親に、子供が連れ帰った虫に「やだーっ戻してきなさいっ」と言いそうな、いかにもらしい母親の繰り広げるユーモアに観てる子供たちはおおはしゃぎ。


なんだけど。


クゥが近所に知れ始めてついにパパラッチされるあたりから序々にノリがおかしくなってくる。
父親河童の侍に斬られた腕のミイラを見たクゥが錯乱して逃亡するあたりはもはやフーパーの「スポンティニアス・コンバッション」
それにつれて館内の雰囲気もおかしくなって。
子供たちが黙りこくり始めて、挙句にぐずり始めた子供を連れて出て行く客も…


その後、何事もなかったかのようにスッとテンションは戻り、クゥとの別れの青春映画に回帰してくんですけれども。


そんなわけで最初と最後は心温まる青春映画だけど、間に挟まれた中盤が突き抜けてスポンティニアスという歪ぶり。



まークレヨンしんちゃんを観ていれば、シュールなノリは不思議じゃないって話もあるが、それにしたってクゥがスゴイのはそれが伏水流から序々に湧き出るように狂っていく、そして観客が感情移入出来なくなっていくっぷりでしょう。

と書いてしまえばスポンティニアスや、あるいは「スペース・バンパイア」だって、同じ構造をしているわけで前半で感情移入できた主人公の原爆男が狂っていくために―しかも代わってヒロインがメインに据えられるでもないために―観客に誰かの目線に居座ることを許さない。
これこそが思わぬ感動に繋がっていく一要素でもあるですね。


そんな常軌を逸しそうな寸前でクゥが再び正気を戻していくのはしんちゃんで手馴れたものなのかもしれんし、歪な構造もプロダクションの縛りから生まれたのかもしれませんw
(ちなみに前半での画面のチープさ加減は、特に河童の里を訪れるあたりなど後半に比べてアンバランスなこともあり、単純に予算の縛りだっただろうと思えますが。しかしそうすると金の使い方はまっこと正しいとは言える。)


それにしたって、恐らく単に“最初と最後は心温まる青春映画だけど、間に挟まれた中盤が突き抜けて”いるという見方は正確には間違っているのであって、たとえば康一が飼っている犬にしたって彼が人間に労われることなど終始全くないのだから。
しかも前の飼主に虐められて今の主人公に拾われたというエピソードまで挿入していながら。


……


子供って案外残酷なもので―案外と言ってもよく耳にすることでもあるのだが―バッタをカマキリに喰わしたり、チャリの車輪を思いっきり回してタイヤにコオロギを擦ってみたり…あれっ?しませんでした?俺だけ?

そこまで悪意丸出し(いや本人には悪意はないんだけど汗)でなくとも、ともおのように缶いっぱいにダンゴ虫を詰め込んだまま大量虐殺しちゃったり、してしまうものです。
で、やってしまったと分かった瞬間になんともいえない後悔やらなんやら、やりきれない気持ちが湧き出てくる。


康一一家にしたってクゥのためにというより、なるべくしてことが進んでいく。
決して悪意があるでもないけれど、事は康一が思う方向へは向かっては行かない。
そして終局が来て初めて心が軋む。


しかしクゥも犬も後悔の目を決して見せない。
彼らは康一に恨む言葉どころか感謝さえする。


人間とは残酷なものだけれど、そうして大きくなっていくものだと、昔生き物を虐めてまわったボクにはそう聞こえてしょうがなかったんですなぁ…(シミジミ




完成度からすれば過去作に劣れども、そのアンバランスさ故の情感は完成度に引き換えて有り余るし、めっちゃおもろかったですょ。

(070801)
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