2007–09–20 (Thu) 17:33
製作年度 2007年
製作国 日本
上映時間 106分
監督 荻上直子
脚本 荻上直子
音楽 金子隆博
出演 小林聡美 、市川実日子 、加瀬亮 、光石研 、もたいまさこ 、橘ユキコ 、薬師丸ひろ子
たとえば武芸の達人ほど最小の動きで技を捌き、そして究極の域に達すると動きは“零”になるという。
バガボンドの石舟斎的な。
武蔵が枕元で刀を手に立って何時でも殺せるような状態なのに、寝ている石舟斎が勝っているっていう。
あるいは、ハッと気合を込めた瞬間、その人は世界一周してきたと言う。
瞬間過ぎて、修行の足りぬおぬし達には見えぬのだ、と言う。
なんか小学校にもいたよね。
そういうのやる好きなコ。
・・・・・・
「かもめ食堂」はおもしろかった。
淡々とした雰囲気で、フィンランドに平穏な日常をそのまま移したような映画…のフリをしながら、非常に心躍る出来事が凝縮されていました。
もたいまさこがトランクを失うという実に映画的なきっかけから、熟年期に入りながらも唐突に男に逃げられたフィンランド女性との出会いへとことが動いていく。
そんな劇的な出来事が、まるで日常的な雰囲気と“異国”の舞台と相まって絶妙に不思議な映画が出来上がっていましたね。
さぁ、そんな「かもめ食堂」の荻上直子監督の最新作「めがね」。
かもめから小林聡美ともたいまさこも続いて出演しております。
今作も癒し系映画としてのイメージでプロモートされてまして、確かにまるで「かもめ」の続編かのような癒しっぷりです。
舞台は“どこでもないどこかの島”。
建物は“ハマダの家”、もう一つの民宿“マリンパレス”、そして“かき氷屋”しか出てこないし、砂利道の風景も生え放題な雑草、木々ばかりで
人の生活感がない。
いや、ハマダの人々はそれぞれに日常を生きているのだけど、そこに訪れる地元民と思わしき人々が同時にその島に住んでいるという生活感がない。
もたいの作るかき氷を食べに島民が訪れるし、なにせ市川は高校の生物の先生なのだからそれなりの人口はあるんでしょうけれど。
その地元民の生活感の無さから、まるでハマダの家は御伽の世界で、島民は全く違う現実の世界で生きていて、御伽の世界へ癒されに訪れているかのような感覚を憶えます。
もっともこの映画は、そうあるように作られているのだろうし、御伽感は「かもめ食堂」の不思議な世界からさらに究極へと押し上げています。
その意味では見事に良く出来た映画で、日々の現実での疲れを癒すにはもってこいの映画かもしれません。
登場人物たちの背景。
職業であったり、過去であったりは全く意図的に隠されていて、おそらく都会から癒され目的でやってきたであろう小林聡美でさえ“先生”と呼ばれる仕事であろうこと以外は何も示されない。
出来事も“何も起こらない”ことをまるで武芸の達人が“零”に達するがごときに極めている。
たとえば「かごめ」でトランクを失ってしまうという出来事も「めがね」に到っては、自ら捨て去ってしまうことで出来事ではなくなっています。
と言いつつも、最後には
めがねが飛んだり、
赤いマフラーのファムファタールが砂浜歩ってたり、アンタ憎いねぇってなこともちゃっかりやってくれてるんですけれどもね。
わたくし個人的な感想としましては、しかしやはり映画とは“何かが起こる”ものだとインプリントされている節がありまして、確かに「めがね」のような究極の何も起こらない癒しは、“零”の達人の域へ達しようという意図であるだろうし、高いレベルであることは間違いないのですが、それでも「かごめ」の絶妙さのほうが好きだなぁ…
さて、仙台の映画館では前売りが飛ぶように売れ、現在再上映されている「かごめ食堂」も大入りのご様子。
で、今週末から始まる「めがね」は、なんと一日6回回しだそーだ。
こりゃ力入ってますなぁ。
は無いみたいなもんだよ。
かもめで小林聡美がホスピタリティ側だったのが、今回、配置が変わってるのも続編としてみればおもしろいかも。
でも、かもめのようにホスト側のほうが似合うという話も聞くけれど。
>そういえば話はぜんぜん変わりますが。
昨日旭山動物園に行ったとき(←旦那実家に帰省してたので)
なんとなくとりこ君を思い出しました。
どーゆー意味でしょーか
ま、言いたいことは分かるけどw